Webサイトのセキュリティは何をすればいい?企業が取り組むべき対策10選

「Webサイトのセキュリティ対策が必要なのは分かるけれど、具体的に何をすればいいのか分からない」

このようなお悩みを持つ中小企業の経営者やWeb担当者は少なくありません。

SSL、WAF、CMS、バックアップ、不正アクセス対策など、Webサイトのセキュリティにはさまざまな言葉が登場します。WebやITに詳しくない方にとっては、「結局、何から始めればいいの?」というのが率直なところではないでしょうか。

Webサイトのセキュリティ対策で重要なのは、一つの対策だけに頼るのではなく、複数の対策を組み合わせて継続的に管理することです。

この記事では、企業のWebサイトを安全に運用するために確認しておきたい基本的なセキュリティ対策を、専門知識がない方にも分かりやすく解説します。

目次

Webサイトのセキュリティ対策とは?

Webサイトのセキュリティ対策とは、不正アクセスや改ざん、情報漏えいなどのリスクからWebサイトや利用者の情報を守るための取り組みです。

ただし、「セキュリティソフトを一つ導入すれば終わり」というものではありません。

Webサイトは、サーバー、CMS、プログラム、データベース、管理者アカウントなど、さまざまな仕組みから構成されています。そのため、それぞれに適した対策が必要です。

また、システムだけでなく「誰が管理画面を利用できるのか」「退職した担当者のアカウントが残っていないか」といった運用面もセキュリティに大きく関係します。

つまりWebサイトのセキュリティは、「技術」と「運用」の両方から考えることが重要です。

セキュリティ対策をしないと何が起こる?

Webサイトのセキュリティ対策が不十分な場合、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。

  • Webサイトを改ざんされる
  • 不正なページやプログラムを設置される
  • 別のWebサイトへ勝手に転送される
  • 管理画面へ不正ログインされる
  • お問い合わせ情報などが漏えいする
  • Webサイトが正常に表示されなくなる

例えば、企業サイトが改ざんされ、訪問者を不審なサイトへ誘導する状態になれば、自社だけでなく取引先やお客様にも影響が及ぶ可能性があります。

また、復旧作業や原因調査が必要になれば、通常業務とは別に時間やコストが発生します。

そのため、セキュリティ対策は「トラブルが起きたときの対応」ではなく、「トラブルを起こりにくくするための予防」として考えることが大切です。

Webサイトで取り組みたいセキュリティ対策10選

では、具体的に何をすればよいのでしょうか。ここからは、中小企業のWebサイトで確認しておきたい代表的なセキュリティ対策を10項目に分けてご紹介します。

1. WebサイトをSSL(HTTPS)に対応させる

SSLは、Webサイトと閲覧者の間で送受信される情報を暗号化する仕組みです。

URLが「http://」ではなく「https://」から始まっていれば、SSL化されていることを確認できます。

特にお問い合わせフォームでは、氏名やメールアドレス、電話番号などの情報を送信することがあります。通信途中で情報を盗み見られるリスクを抑えるためにも、SSL対応は基本的な対策の一つです。

2. CMS・システムを最新の状態に保つ

WordPressなどのCMSやWebシステムでは、機能追加だけでなく、セキュリティ上の問題を修正するアップデートが提供されます。

古いバージョンを長期間使用すると、すでに知られている脆弱性が残った状態になる可能性があります。

「現在問題なく表示されているから更新しなくても大丈夫」と判断せず、利用しているCMSやシステムの更新状況を定期的に確認しましょう。

3. プラグインや外部プログラムを適切に管理する

CMS本体だけでなく、追加機能として利用しているプラグインやライブラリなども管理が必要です。

使用していないものを放置したり、長期間アップデートされていないプログラムを利用し続けたりすると、セキュリティ上のリスクになる場合があります。

「何がインストールされているのか分からない」という状態を避け、必要なものだけを利用することが基本です。

4. 管理画面のID・パスワードを適切に管理する

管理画面への不正ログインを防ぐためには、ID・パスワードの管理も重要です。

推測されやすいパスワードや、複数サービスで同じパスワードを使い回すことは避けましょう。

また、担当者ごとにアカウントを発行しておけば、「誰がどの権限を持っているのか」を管理しやすくなります。

5. 二段階認証やログイン制限を活用する

IDとパスワードだけに頼らず、二段階認証を導入することで、不正ログインのリスクを軽減できます。

また、一定回数ログインに失敗した場合にアクセスを制限したり、特定のIPアドレスからのみ管理画面へアクセスできるようにしたりする方法もあります。

ただし、IP制限などはテレワークや外出先からの更新に影響することがあるため、自社の運用方法に合わせた設定が必要です。

6. 定期的にバックアップを取得する

バックアップは、不正アクセスそのものを防ぐ対策ではありません。しかし、Webサイトにトラブルが発生した際、正常な状態へ復旧するための重要な備えになります。

例えば、Webサイトが改ざんされた場合や、システム更新によって不具合が発生した場合でも、正常な状態のデータが残っていれば復旧できる可能性があります。

バックアップでは、Webサイトのファイルだけでなく、CMSで管理している記事やお問い合わせ情報などが保存されているデータベースも対象にすることが重要です。

また、「バックアップを取っているから安心」ではなく、保存期間や保存場所、復元方法まで確認しておきましょう。

7. WAFなどサーバー側のセキュリティ対策を確認する

Webサイトへの攻撃を防ぐ方法として、WAF(Web Application Firewall)があります。

WAFとは、Webサイトへの通信内容を確認し、不正と判断されたアクセスを遮断する仕組みです。簡単にいえば、Webサイトの入口で怪しいアクセスをチェックする「門番」のような役割です。

レンタルサーバーによってはWAF機能が標準で提供されている場合があります。そのため、新しいツールを導入する前に、現在契約しているサーバーにどのようなセキュリティ機能が用意されているのか確認してみましょう。

ただし、WAFを導入すればすべての攻撃を防げるわけではありません。CMSのアップデートやアカウント管理など、ほかの対策と組み合わせることが重要です。

8. お問い合わせフォームや個人情報の取り扱いを見直す

企業サイトでは、お問い合わせフォームや資料請求、採用エントリーなどを通じて個人情報を受け取ることがあります。

「どのような情報を取得しているのか」「その情報をどこに保存しているのか」「誰が閲覧できるのか」を把握しておくことが重要です。

例えば、業務上必要のない情報まで入力必須にしているのであれば、フォーム項目そのものを見直すこともセキュリティ対策の一つです。

取得する情報を必要最小限にすることで、万が一トラブルが発生した場合の影響範囲を抑えることにもつながります。

9. アカウントと権限を定期的に見直す

Webサイトの管理画面には、制作会社、社内担当者、外部パートナーなど、複数の人がアクセスする場合があります。

そこで重要なのが、「必要な人だけが、必要な範囲まで操作できる状態」にしておくことです。

例えば、記事更新だけを担当する人にシステム全体を変更できる管理者権限を付与する必要はありません。

また、退職した担当者や契約が終了した外部パートナーのアカウントが残っていないかも定期的に確認しましょう。

システムだけを強化するのではなく、「誰がアクセスできるのか」を管理することも、企業のWebサイトセキュリティでは重要です。

10. 定期的な点検と監視を行う

Webサイトのセキュリティ対策は、一度設定すれば完了するものではありません。

CMSやサーバー、利用しているサービスは継続的に更新され、新たな脆弱性が発見されることもあります。そのため、定期的にサイトの状態を確認する必要があります。

例えば、次のような項目を定期的に確認します。

  • CMSやプラグインに更新がないか
  • 不審な管理者アカウントが追加されていないか
  • お問い合わせフォームが正常に動作しているか
  • 不審なファイルやページが作成されていないか
  • SSL証明書やサーバー環境に問題がないか
  • バックアップが正常に取得されているか

「何か起きたら対応する」という運用ではなく、定期的に確認する仕組みを作ることがトラブルの早期発見につながります。

中小企業で考えたい具体的なセキュリティ対策例

ここまで10の対策をご紹介しましたが、「全部対応するのは難しそう」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

大切なのは、やみくもにセキュリティ対策を増やすことではなく、自社サイトの用途や扱っている情報、運用体制に応じて優先順位を決めることです。

一般的なコーポレートサイトの場合

会社案内やサービス紹介、お問い合わせフォームが中心の一般的な企業サイトであれば、まずは次のような項目を確認しましょう。

  • SSL(HTTPS)への対応
  • CMS・プラグインなどの定期的なアップデート
  • 強固なパスワードの設定
  • 管理者アカウントの整理
  • 定期的なバックアップ
  • サーバーのWAFなどセキュリティ機能の確認
  • 定期的なサイト点検

まずは基本的な対策ができているかを確認し、不足している部分から改善していくと取り組みやすくなります。

お問い合わせ・採用情報を扱うサイトの場合

お問い合わせや採用エントリーなどで個人情報を取得する場合は、基本的な対策に加えて、フォームから取得する情報や保存方法、閲覧権限なども確認する必要があります。

「取得した個人情報がどこに保存され、誰がアクセスできるのか」を把握しておくことが重要です。

ECサイト・会員サイトの場合

ECサイトや会員サイトでは、一般的な企業サイトよりも多くの顧客情報を扱う場合があります。

そのため、ログイン管理、アクセス制御、システムの脆弱性対策、バックアップ、監視など、より慎重なセキュリティ設計と運用が求められます。

自社だけで判断することが難しい場合は、制作会社やセキュリティに詳しい専門家へ相談し、現在のサイト構成や運用方法を確認してもらうことも選択肢の一つです。

自社対応と外部委託、それぞれのメリット・デメリット

Webサイトのセキュリティ対策は、すべてを外部へ任せなければならないわけではありません。社内で対応できることと、専門会社へ依頼した方がよいことを整理することが大切です。

自社で対応するメリット・デメリット

自社で対応するメリットは、外部への費用を抑えやすく、日常的な変更にもすぐ対応できることです。

一方で、担当者がセキュリティ情報を継続的に確認する必要があります。また、担当者の異動や退職によって管理方法が分からなくなる「属人化」にも注意が必要です。

専門会社へ依頼するメリット・デメリット

専門会社へ依頼することで、CMSやサーバー、バックアップなどを含めて継続的な管理を任せやすくなります。社内担当者の負担を軽減できる点もメリットです。

一方で、保守費用が発生します。また、契約によって対応範囲が異なるため、「どこまで対応してもらえるのか」を事前に確認することが重要です。

例えば、アップデートだけを行う保守なのか、セキュリティやアクセス状況の確認、サイト改善まで相談できるのかによって、支援内容は大きく異なります。

自社サイトのセキュリティチェックリスト

Webサイトのセキュリティについて、「自社がどこまで対応できているのか分からない」という場合は、まず現在の状況を整理することから始めてみましょう。

以下は、企業サイトで確認しておきたい基本的なチェック項目です。

チェック項目確認
WebサイトがSSL(HTTPS)に対応している□
CMSやWebシステムを定期的にアップデートしている□
プラグインや外部プログラムを適切に管理している□
不要なプラグインやアカウントを削除している□
管理画面で推測されにくいパスワードを使用している□
二段階認証やログイン制限を導入している□
Webサイトとデータベースのバックアップを取得している□
バックアップから復元する方法を確認している□
WAFなどサーバー側のセキュリティ機能を確認している□
お問い合わせフォームで必要以上の情報を取得していない□
管理画面へアクセスできるユーザーを把握している□
担当者の退職・異動時にアカウントを見直している□
定期的にWebサイトの状態を点検している□
トラブル発生時の連絡先や対応方法が決まっている□

チェックが付かなかったからといって、直ちに危険なWebサイトという意味ではありません。サイトの構成や利用しているシステムによって、必要な対策は異なります。

重要なのは、「何ができていて、何ができていないのか」を把握したうえで、自社サイトに必要な対策の優先順位を決めることです。

分からない項目が多い場合は管理状況そのものを確認する

チェックリストを確認して、「できているかどうか分からない」という項目が多かった場合は、セキュリティ設定だけでなく、Webサイトの管理体制そのものを整理する必要があるかもしれません。

例えば、次のような状態になっていないでしょうか。

  • サーバーの契約内容が分からない
  • CMSの管理者が誰なのか分からない
  • どの会社が保守を担当しているのか曖昧になっている
  • バックアップがどこに保存されているのか分からない
  • 以前の制作会社が発行したアカウントが残っている
  • Webサイトを最後に点検した時期が分からない

こうした場合は、新しいセキュリティツールを追加する前に、まず現在のWebサイト環境と運用体制を「見える化」することが大切です。

まとめ|セキュリティは「導入」より「継続」が重要

Webサイトのセキュリティについて「何をすればいいのか」と迷った場合、まずは特別な対策を探すのではなく、基本的な対策ができているかを確認してみましょう。

今回ご紹介した主な対策は、次の10項目です。

  1. SSL(HTTPS)に対応する
  2. CMS・システムを最新の状態に保つ
  3. プラグインや外部プログラムを適切に管理する
  4. ID・パスワードを適切に管理する
  5. 二段階認証やログイン制限を活用する
  6. 定期的にバックアップを取得する
  7. WAFなどサーバー側のセキュリティ対策を確認する
  8. お問い合わせフォームや個人情報の取り扱いを見直す
  9. アカウントと権限を定期的に見直す
  10. Webサイトの定期的な点検と監視を行う

大切なのは、これらの対策を一度実施して終わりにしないことです。

Webサイトを取り巻く環境は変化します。CMSやプラグインのアップデート、新たな脆弱性への対応、担当者の変更などに合わせて、セキュリティ対策も継続的に見直す必要があります。

そのため、企業のWebサイトでは「どのセキュリティ対策を導入するか」だけでなく、「誰が、いつ、どのように確認するのか」まで決めておくことが重要です。

Webサイトのセキュリティは運用体制まで含めて考える

セキュリティというと、WAFやセキュリティソフトなどの技術的な対策に目が向きがちです。

しかし実際のWebサイト運用では、アカウント管理、アップデート、バックアップ、担当者間の情報共有など、日常的な運用もセキュリティを支える重要な要素です。

「誰が管理しているのか分からない」「更新する担当者が決まっていない」「問題が起きたときの連絡先が分からない」といった状態を解消することも、セキュリティ対策の一つといえます。

Webサイトを安全に運用していくためには、システムだけを見るのではなく、運用ルールや管理体制まで含めて整えていきましょう。

Webサイトのセキュリティや運用でお困りの方へ

当社では、Webサイトの制作だけでなく、公開後の保守・運用、課題整理から運用改善まで含めた支援を行っています。

また、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)への取り組みを通じて、情報セキュリティを意識したWebサイトの制作・運用に取り組んでいます。

Webサイトのセキュリティ対策は、サイトの構成や利用しているCMS、サーバー、運用方法によって必要な内容が異なります。

そのため、単にセキュリティツールを導入するだけではなく、現在の環境や課題を整理し、「何を優先して改善すべきか」を考えることが重要です。

「自社サイトのセキュリティ対策が十分なのか分からない」「現在の保守体制を見直したい」「Webサイトの運用について相談できるパートナーを探している」といった場合は、お気軽にご相談ください。

現在の状況を確認しながら、Webサイトの制作・保守・運用改善まで、継続的に伴走できる体制づくりをサポートします。


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※本記事の内容は執筆時点の情報をもとに作成しています。WebサイトやCMS、サーバー、各種サービスの仕様・機能は変更される場合があります。また、必要なセキュリティ対策はWebサイトの構成や運用環境によって異なります。設定や対策を行う際は、利用しているサービスの公式情報をご確認いただくか、専門家へご相談ください。

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